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味のある店2009年2月号・81号 - 人を訪ねる
  【制度を訪ねる】
市民が“市民活動を支援する” 新しい制度が始まっています
新しい制度を紹介するイベントがイオンモール木曽川キリオで開催された
新しい制度を紹介するイベントがイオンモール木曽川キリオで開催された

 いつもなら「人を訪ねる」のこの紙面、今回は、この1月から一宮市で始まるというある制度(市民活動支援制度)を訪ねることにした。私たちの暮らしにとっても、かかわりが深い(と思われる)この新制度、一体どんなものなのか。昨年12月27日、一宮で活動するNPO法人「志民連いちのみや」の手によってイオンモール木曽川キリオで開かれた広報イベント「知ってほしいな私たちの活動を」の会場を訪ねてみた。

推進役である市の「地域ふれあい課」に聞く

 まずは新たに始まる制度の概略をつかもうということで、当日会場入りしていた市の企画部地域ふれあい課・川合さんに聞いた。
―どんな制度なんですか?
 大ざっぱに言いますと、市内で活動しているグループ、団体、NPOなどのいろいろな事業に対して、18歳以上の市民約31万人(平成20年6月1日現在)からの選択結果にもとづいて、支援金を交付するというものです
―支援金はどこから?
 市民税額全体の1%を当てるもので、今回の市民一人当たりの支援額は658円になります。
―つまり18歳以上の市民が、自分が支援したいグループや団体に、一人当たり658円の支援金を届けることができるわけですね。では、その届出はどうやって行うんですか?
 市の広報などでも詳しく説明していますが、郵送や市内三庁舎、10出張所での窓口での受付ほか、ファクシミリやインターネットなどでも届けることができます。10人以上が集まる会合などでの出前受付なんてのも準備していますので、詳しくは地域ふれあい課(28-8954)へ、お問い合わせください。

 といったところが制度の概略だが、川合さんの話はさらに続き、この新制度スタートのきっかけやほかの自治体での実施状況、さらには意義や期待にいたるまで詳しく伺ったので、ここで紹介しておこう。
 まず、新制度自体は現市長の選挙時のマニュフェスト(公約)からのもので、平成19年から市役所内で検討を重ねた結果、実施を決定。昨年6月の市議会での承認を経て正式にスタート。他の自治体での事例も参考に制度の骨格を練り上げていったそうだ。
 制度の細部に違いはあるが、これまでの立川市(千葉)、恵庭市(北海道)、大分市(大分)などに次いで、一宮市での実施は全国で4番目、中部地方では初の実施となる。
 さらに制度の意義についてもご紹介。こうした制度を導入することで、市民活動自体を盛り上げ、同時に市民が少しでもこうした地域の活動を知って、場合によっては参加できるようになること。そうしたことを通じて公益という考え方を意識した市民が増え また、団体・市民・行政など、かかわるすべての人たちのレベルアップや関係性の強化になり、結果としてより良い地域づくりにつながることが期待されるというものだ。

チューネン断定団、本日は司会に変身!?

 さて、支援対象となる団体にはどのようなものがあるのだろう。団体からの交付申請は既に終了しているが、結局70団体にのぼり、市側での審査の結果、70すべての団体を対象とすることが決定。それぞれの団体は一体どんなことをしていて、また支援金をどのように使おうとしているのか。制度自体を知らしめることも大切だが、対象となる団体の“実際”を知ることはもっと大切だ。そこでそれぞれが日ごろの取り組みや活動をアピールする場を作ろうということで、この広報イベント「知ってほしいな私たちの活動を」が開かれたというわけだ。
今度は本イベントの主催である「志民連いちのみや」の星野さんに伺った。この星野さん、実は本紙に連載中の「チューネン断定団」に登場するホシ団長、その人なのである。
―チューネン断定団団長、ついにその素顔をカミングアウト! ですね。
 いやいや、なにをおっしゃるウサギさん。わたしは、カメよ、カメさんよです。
―???。そのギャグの意味がわかりませんけど…。ところで、今日は38団体のみなさんが参加しているそうですね。
 支援対象70団体のすべてに声をかけた結果、38団体となりました。各団体の持ち時間は3分間です。中には頑張りすぎて持ち時間をオーバーする団体もありますので、その時は…
―いちのみやチンドン隊の出動ですね。
 そうそう。チンドンの音楽にのせてステージを占拠。次の団体へとバトンタッチという趣向です。実は、私自身もチンドン隊のメンバーの一人なんですが、今日は司会進行に徹しています。
―このイベントは、やっぱり新制度を広くみなさんに知ってもらおうと企画されたんですか?
 そうですね。ICC、イオンモール木曽川キリオ、一宮市地域ふれあい課ほか、多くのみなさんの協力で開催することができました。でね、これをきっかけに各団体のみなさんに呼びかけて、こうしたイベントを自主的にやる組織を作りたいなと思ってんです。
―つまり市民活動の連合体というようなものですか?
 いやいや、そこまで大げさじゃなくて、たとえば今回の制度で支援金が交付されますよね。そうすると各団体には、交付金を受けて後の事業報告や会計決算書などの提出が義務付けられます。そうした事務的なことをはじめ、今後、自分たちの活動をどうアピールしていくかという広報の仕方やノウハウなどを、みんなで一緒に学んでいく。組織というとおおげさですが、そんな仕組みみたいなものを作っていけたらいいですね。
 新しい制度のスタートと同時に、新しい活動、新たな人間関係やきずなが育まれていく。それはこれからの市民社会を形成するひとつのキーワードになり得るかもしれない。本紙も、そうした動きの一助になれたら、こんなにうれしいことはない。「新聞は公器」の考え方もあるが、同時に多様なオピニオンの場でもあると考えるが、いかがだろうか。
 そんなことを考えながら会場を眺めていると、実にいろいろな団体・グループが思い思いの扮装や趣向で3分間アピールの出番を待っている。着物姿のご婦人連やどじょうすくいの格好の人、子ども連れのママさんたちや剣道着姿の少年少女たち、さらには何枚かの説明用パネルを抱えた人たちetc。
 最後になったが新制度施行の成否は、私たち市民一人ひとりにかかっているといえるのではないだろうか。ただいま市民による支援団体の選択と届出を受付中。2月13日(金)の届出期間までに、ぜひこの制度を使ってあなたの意思を現してほしいものだ。届出書の請求や支援団体の照会などは市役所地域ふれあい課で一括して引き受けている。
 なお平成20年6月1日時点の個人市民税額の1%は約2億7百万円となる計算だが、このすべてが交付されるわけではなく、支援したい団体を選択した市民の数に「市民1人当たりの支援額」をかけたものが各団体への支援額となる。

(文責 沖てる夫)

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