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味のある店2008年9月号・76号 - 人を訪ねる
都市環境プランナー 谷口庄一 さん
リージョナルブレインズ代表
「ボケ防止にも役に立ってるね、マジックは」と笑う日下部さん
谷口庄一さん
一宮市大志1-5-9-602
『緑流生活』のホームページ
www.midori-ryu.jp

ものを大切にする
こころが
持続可能な社会を
構築する
ヒントに成り得る

 「都市環境をプランニングする」と聞いて、ピンと来る人はそんなには多くないのではなかろうか。いただいた名刺には「都市環境プランナー」をはじめ「一級土木施工管理技士」など、肩書きがずらりと並んでいる。早速、お話を伺うことにしよう。

環境プランナーという仕事

 「で、もって一体どんなお仕事をなさっていらっしゃるんですか?」という質問からスタートした。「そうですねえ、収入ベースで言うなら、25%が大学などいわゆる学校関係の講師で、次の25%が行政や企業による講演会などの講師、そして残る50%が環境をどういうふうに創造していくか、あるいは環境に配慮した生活をどうつくっていくかといった、いわゆる環境プランナーとしての仕事になると思います」
 なかなか理解しにくいのではあるが、いくつかの具体的な例を伺っていくうちに少しずつ分かってきた。
 「たとえば、リサイクル関係の施設を持つごみ焼却場などがありますよね。こうした、いわゆる公共施設としてのハードを、どうすれば、よりよく利用してもらえるか。どんな運営をすれば恒常的に人が集まるようになるのか。そんなことを企画して運営していくことも役割のひとつです」

指定管理者制度…公的施設の管理・運営を、株式会社をはじめ財団法人・NPO法人・市民グループなど法人その他の団体に包括的に代行させる制度。
 いろいろな公共施設を作りっぱなしにするのではなく、よりよく活用するための企画・提案などに力を注ぐ谷口さん。こうした公共施設の運営については、先ごろ「指定管理者制度」なども設けられ、民間の力も取り入れた運営が盛んに行われているようだが、そこでも多くは施設の維持・管理が精一杯。しかし、それでは何のための施設なのかが分からない。「もっといい方法があるんじゃないか。それを考えてみましょうよ」というのが谷口さんらプランナーの仕事であるらしい。
 「いろいろな方法がある。でも、それぞれのケースにふさわしいやり方やカタチ作りを、もっともっとキメ細かくやっていきたい。確かに予算を使ってイベントなどをやれば人は集まりますが、それはしょせんカンフル剤的なものです。それよりも、もっと長い目で見た施設運営のあり方を見出していく。これはなにも公共施設に限ったことではなく、たとえば町づくりについても言えるんです」

生活を見直すことの大切さ

 こうして公共施設の有効利用や商店街の活性化などに取り組んできた谷口さんは、多様なアプローチを続けるうちに、ごく自然に「生活を見直すこと」に思い至った。つまり環境の構成要素のひとつでもある人間が、それぞれに環境に対する明確な意識を持ち、自立した生活を営むことが必要であると考えたのだ。人々の意識を高め、環境に配慮した生活を築くための多彩な提案や経験の場を提供するのも、谷口さんの仕事のひとつだ。その具体例としては「くくのち林間学校(豊田市)」がある。これは谷口さんが講師をしている大学の学生をはじめ、多くの人たちとともに林間学校という場で、林業の実際を体験したり、木の実や山菜などを収穫して味わったり、まさに現場でしかできない体験を通して学びの機会を提供しようというものである。
 これらの多彩な活動を谷口さんは『緑流生活(みどりりゅうせいかつ)』と名づけている。ご自身のホームページから引用してみよう。「地球環境問題は一人ひとりが考えて生活から見直さないと解決しないということが分かってきました。それでは、どのような生活をすれば良いのかという話になると、今の便利な生活を我慢するようなイメージが強くないでしょうか。しかし、“ものを大切にする”“自然を敬う”といった生活は、よく考えると、少し前の日本人の生活とそんなに変わりはありません(後略)」
 谷口さんによれば、名古屋を中心とした東海地区は都市と農山村が一定程度のバランスを保っているエリア。こうした環境に着目しながら、「これまで私たちが何気なく過ごしてきた地域の生活習慣や風習のなかに、“ものを大切にする”文化を見つけることができるのではないでしょうか。それが持続可能な社会を構築するヒントを持っていると思うんですよ」
 建築コンサルタントとして社会人をスタートし、愛知万博にかかわり(エコマネーセンター事務局長)、その後再び学生生活を送り、さらにまた、その延長線上に現在の環境プランナーという職を得た谷口さん。9月には環境先進国といわれてきたドイツ、スイスなどの実態調査にも出向く予定。来る10月に開催される「志民学校いちのみや」では、その最新情勢の報告はもちろん、各国の取り組みなども伺えることになりそうだ。

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